韓国の歴代大統領 写真特集

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韓国の歴代大統領　写真特集

 

李承晩（イ・スンマン）初代～第3代、在任期間 1948～60年

　韓国の初代大統領。黄海道平山出身。日本の植民統治時代、米国を拠点に独立運動を展開。戦後、地主や資本家、植民地時代の官僚の支持を受け、大統領に就任した。親米反共主義者として知られる一方、１９５２年に「李承晩ライン」を宣言するなど日本に対しては強硬姿勢を取った。独裁的手法に国民が反発し、「４月革命」によって退陣に追い込まれ、ハワイに亡命。６５年、ハワイで死去した。

　写真は李承晩氏（撮影場所、撮影年月日は不明） 【時事通信社】

マッカーサー連合国軍最高司令官（右）と会談する韓国の李承晩氏（1948年撮影、撮影場所は不明） 【ＡＦＰ＝時事】

 

尹譜善（ユン・ボソン）第4代、在任期間 1960～62年

　忠清南道出身。李承晩政権の商工大臣などを歴任。１９５５年に民主党結成に参加。６０年、大統領に就任したが、軍政が施行した政治活動浄化法に反対して大統領を辞任。６３年には民政党から大統領選に出馬したが、朴正熙氏に敗れた。

　写真は尹譜善氏（撮影場所、撮影年月日は不明） 【時事通信社】

 

朴正熙（パク・チョンヒ）第5～9代、在任期間 1963～79年

　慶尚北道出身。日本の陸軍士官学校や満州国陸軍中尉を経て、戦後は韓国陸軍で要職を務める。１９６１年、軍事クーデターに成功。６３年、大統領に就任。６５年に日韓基本条約を締結。７４年、ソウルで在日韓国人の文世光に暗殺を狙われ、陸英修大統領夫人が射殺された。７９年、元側近の金載圭中央情報部（ＫＣＩＡ）部長に殺害された。民主化運動を弾圧し、７２年に「維新体制」の名の下に独裁を強めたことへの批判は根強い。その一方で、日本から提供された経済協力資金などを活用し、工業育成やインフラ整備に力を入れた。経済成長は「漢江の奇跡」と呼ばれる。私腹を肥やさなかったことも評価されている。第１８代大統領の朴槿恵氏は娘。

　写真は朴正熙氏（撮影場所、撮影年月日は不明） 【時事通信フォト】

 

韓国を訪問した佐藤栄作首相（左）とソウル大統領官邸で会談する朴正熙大統領＝ソウル（1967年06月30日） 【時事通信フォト】

 

崔圭夏（チェ・ギュハ）第10代、在任期間 1979～80年

　江原道原州（現韓国北部）出身。東京高等師範学校（現筑波大）を卒業し、満州に渡る。韓国独立後、外交官の道を歩み、駐日代表部総領事、外務次官、外相などを歴任した。１９７５年首相に起用され、７９年朴正熙大統領が暗殺されたのを受け、大統領権限代行を経て大統領に就任。ただ、全斗煥陸軍少将（後に大統領）を中心とした新軍部の台頭を抑え切れず、８０年５月には軍部が民主化デモを鎮圧した光州事件が発生。同８月に大統領職を辞任した。２００６年死去。

　写真は崔圭夏氏（撮影場所、撮影年月日は不明） 【時事通信社】

佐藤栄作首相（右）と会談する韓国の崔圭夏外務部長官＝東京・首相官邸（1968年12月21日） 【時事通信社】

 

全斗煥（チョン・ドゥファン）第11・12代、在任期間 1980～88年

　慶尚南道出身。１９７９年の朴正熙大統領暗殺事件後、クーデターを指揮して軍の実権を握った。８０年に非常戒厳令を発し、金大中氏ら有力政治家を逮捕、追放。「光州事件」では、民主化を求める活動家や学生を武力で鎮圧した。８１年、大統領就任。８３年には、ビルマ（現ミャンマー）に北朝鮮の工作員が潜入し、同国訪問中の全斗煥大統領ら韓国政府要人の暗殺を狙う爆弾テロ事件（ラングーン事件）が起きた。全大統領は難を逃れたが、外相ら２１人が死亡した。８４年、韓国大統領として初めて日本を公式訪問。８８年２月の大統領選に不出馬。退任後にクーデターや民主化弾圧、不正蓄財などの責任を問われ、１９９７年に無期懲役刑が確定。同時に追徴金約２２００億ウォンを言い渡された。

　写真は、中曽根康弘首相との日韓首脳会談に臨む韓国の全斗煥大統領＝1983年1月11日、ソウル 【時事通信社】

 

日韓首脳会談で握手する中曽根康弘首相（右）と韓国の全斗煥大統領＝東京・首相官邸（1984年09月07日） 【時事通信社】

 

盧泰愚（ノ・テウ）第13代、在任期間 1988～93年

　慶尚北道出身。１９７９年の朴正熙大統領暗殺事件後、全斗煥氏らとクーデターの中心となり、軍の実権を握った。８８年、大統領に就任。同年のソウル五輪で開会を宣言した。退任後の９７年、クーデターや不正蓄財の責任を問われ、懲役１７年と追徴金約２６３０億ウォンが確定した。

　写真は、日本記者クラブで記者会見する韓国民正党の盧泰愚総裁＝1987年9月19日、東京・内幸町 【時事通信社】

 

首脳会談後、「モスクワ宣言」に調印するゴルバチョフ・ソ連大統領（右）と盧泰愚・韓国大統領＝モスクワ（1990年12月14日） 【ＡＦＰ＝時事】

 

金泳三（キム・ヨンサム）第14代、在任期間 1993～98年

　慶尚南道出身。１９５４年に２６歳で国会議員に初当選した。朴正熙、全斗煥の両軍事政権を厳しく批判し、民主化を要求。反政府運動の指導者として弾圧を受けた。金大中氏とは、７１年の大統領選で野党の大統領候補の座を争って以来、対立を繰り返した。８７年の大統領選では、金大中氏との間で候補を一本化できず、野党が分裂。軍人出身の盧泰愚氏の勝利につながった。９２年の大統領選で金大中氏らを抑えて当選。９３年の大統領就任後、軍の改革と不正摘発を進め、９５年には盧、全両大統領経験者が相次いで逮捕された。外交面では、日韓が領有権を主張する竹島（韓国名・独島）問題で強硬姿勢を取り、日本との関係が悪化した。政権末期の９７年、次男が業者から不正資金を受け取り逮捕、有罪判決を受けた。同年発生したアジア通貨危機で韓国が国際通貨基金（ＩＭＦ）の支援を受ける中、９８年に退任。２０１５年、敗血症と急性心不全のため死去した。

　写真は、年頭のあいさつを行う韓国の金泳三大統領＝1995年1月5日、ソウル 【ＡＦＰ＝時事】

 

来日し、早朝にジョギングする金泳三韓国大統領＝東京・新宿区の国立競技場［代表撮影］（1994年03月25日） 【時事通信社】

 

金大中（キム・デジュン）第15代、在任期間 1998～2003年

　１９５０年代から故郷の南西部・全羅南道を地盤として政治活動を開始。軍事政権と対決し、７３年に日本で拉致されるなど激しい弾圧を受けながらも、民主化を訴えた。４度目の挑戦となった９７年の大統領選で勝利。９８年の大統領就任後は北朝鮮に対する融和的な「太陽政策」を推進し、２０００年に北朝鮮の金正日労働党総書記と初めて会談。これが評価され、この年のノーベル平和賞を受賞した。また、韓国を襲ったアジア通貨危機を克服。「未来志向的な関係発展」をうたう日韓共同宣言に小渕恵三首相とともに署名し、日本文化の開放政策も進めた。０３年の退任後も左派勢力に対する影響力を維持し、北朝鮮との関係を冷却化させた保守派の李明博大統領の政権運営を非難するなど、存在感を示した。０９年、多臓器不全により死去。

　写真は、記者会見を行う韓国の金大中大統領＝2003年2月14日、ソウル 【ＡＦＰ＝時事】

 

南北首脳会談のため平壌の順安空港に到着した金大中韓国大統領（右）。北朝鮮の金正日総書記と握手を交わす＝平壌（2000年06月13日） 【朝鮮通信＝時事】

 

盧武鉉（ノ・ムヒョン）第16代、在任期間 2003～2008年

　南部の慶尚南道金海市出身。釜山商業高校卒。独学で司法試験に合格して弁護士となり、１９８０年代に民主化運動に参加。野党指導者だった金泳三元大統領に見いだされ、８８年に国会議員に初当選した。抜群の弁舌で与党政治家らの不正を追及し頭角を現した。２００２年の大統領選では、接戦で勝利を収めた。大統領在任中、北朝鮮に対する融和政策を進め、金正日労働党総書記との第２回南北首脳会談を実現した。しかし、韓国経済が停滞する中、支持を失った。日本との関係も当初は良好だったが、竹島（韓国名・独島）問題などをきっかけに険悪となった。０９年、金海市にある自宅の裏山から飛び降り、死亡した。最高検は、有力後援者が前大統領の家族に提供した計６４０万ドルの資金がわいろに当たるとみて、収賄容疑で捜査中だった。

　写真は、政府声明を読み上げる韓国の盧武鉉大統領＝2007年7月21日、ソウル 【ＡＦＰ＝時事】

イラク北部アルビルを電撃的に訪問し、駐留する韓国軍部隊を激励する盧武鉉大統領（中央）。安全確保のため現地滞在時間はわずか２時間だった＝イラク・アルビル（2004年12月08日） 【ＡＦＰ＝時事】

 

李明博（イ・ミョンバク）第17代、在任期間 2008～2013年

　大阪府出身。１９６５年高麗大経営学科卒。現代建設に入社し、７７年に社長。８８年から９２年まで同社会長。同年の総選挙で国会議員に初当選。９６年に再選されるが、選挙活動違反の責任を取る形で９８年に辞任。２００２年から０６年までソウル市長。０８年、大統領に就任。任期中、法人減税やウォン安政策を推進したほか、米国や欧州連合（ＥＵ）との自由貿易協定（ＦＴＡ）の締結など大企業優遇政策で輸出は伸びた。一方、国民に恩恵は行き渡らず、不満を残した。２０１０年に２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会合、１２年には核安全保障サミットをソウルで開催し、韓国の国際社会での存在感を高めた一方で、強硬姿勢で臨んだ北朝鮮との関係は冷却、竹島上陸で日韓関係も悪化するなど、最終的には厳しい評価を受けた。

　写真は、核安全保障サミットで記者会見する李明博大統領＝2012年3月27日、ソウル 【ＥＰＡ＝時事】

 

日本と韓国が領有権をめぐり対立する竹島（韓国名・独島）を訪問した韓国の李明博大統領。大統領の竹島訪問は史上初＝竹島（2012年08月10日） 【ＡＦＰ＝時事】

朴槿恵（パク・クネ）第18代、在任期間 2013～2017年

　大邱出身。父は朴正熙元大統領。１９７４年西江大電子工学科卒。９８年国会議員初当選。２００４～０６年ハンナラ党（現セヌリ党）代表。１１年１２月ハンナラ党非常対策委員長。１３年、大統領に就任。独身。１５年１１月、安倍晋三首相とソウルの青瓦台（大統領府）で初めて会談。日韓首脳の会談は３年半ぶりだった。憲法裁判所は１７年３月、親友の崔順実被告の国政介入を徹底的に隠し、憲法違反、法律違反行為が在任期間全般にわたり持続的に行われたたとして、弾劾訴追を妥当と認め、罷免を全員一致で決定。弾劾による大統領の失職は韓国史上初の事態となった。同月、最大の財閥サムスングループからの巨額の収賄などの容疑で検察特別捜査本部に逮捕された。

　写真は、演説する朴槿恵大統領＝2012年3月27日、ソウル 【ＡＦＰ＝時事

朴正熙元韓国大統領の遺影前で焼香する長女の朴槿恵ハンナラ党元代表＝韓国・慶尚北道亀尾（2008年03月25日） 【ＡＦＰ＝時事】

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　ソウル中央地検庁舎から拘置所に移送される韓国の朴槿恵前大統領（右から２人目）＝2017年3月31日【ＥＰＡ＝時事】

　【ソウル時事】韓国の検察特別捜査本部は３１日未明、朴槿恵前大統領（６５）を最大の財閥サムスングループからの巨額の収賄などの容疑で逮捕した。逮捕状の可否を審査したソウル中央地裁が「主要嫌疑が認められ、証拠隠滅の恐れがある」として、発付した。
　大統領経験者が逮捕されたのは１９９５年の全斗煥、盧泰愚両氏以来、２２年ぶりで３人目。昨年１０月に発覚し、韓国を揺るがした疑惑は、前大統領の逮捕に発展した。朴容疑者の罷免に伴い５月９日に行われる大統領選の行方に影響を与える可能性もある。
　朴容疑者は逮捕後、直ちにソウル中央地検庁舎からソウル郊外の拘置所に移送された。
　検察や特別検察官は、朴容疑者が親友の崔順実被告（６０）らと共謀し、サムスングループから約束分を含め約４３３億ウォン（約４３億円）の賄賂を受け取ったなどとして１３件の事案で立件したが、現職大統領の持つ不訴追特権のため、これまで起訴できなかった。

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文在寅（ムン・ジェイン）第19代、在任期間 2017年～

　慶尚南道巨済生まれ。８０年慶熙大法学科卒。盧武鉉政権で要職を歴任し、０７～０８年大統領秘書室長。１２年４月総選挙で初当選。１２月の大統領選に最大野党・民主統合党（当時）から出馬、ハンナラ党（当時）の朴槿恵候補に惜敗。１５年２月新政治民主連合（当時）代表。１６年１月共に民主党代表辞任。１７年５月９日朴前大統領罷免に伴う第１９代大統領選で当選した。

　写真は、大統領選の投票を終えた文在寅氏＝2017年5月9日、ソウル 【ＥＰＡ＝時事】