日語雜物函

韓国はなぜ、祖国を愛する人を追い出すのか

bsk5865 2014. 2. 16. 13:52

http://www.chosunonline.com/svc/list.html?catid=82

【コラム】韓国はなぜ祖国を愛する人を追い出すのか

派閥争いで祖国を捨てた安賢洙選手、秋山成勲氏
個人攻撃で閣僚候補を辞退したキム・ジョンフン氏

 

 ロシア代表「ビクトール・アン」としてソチ五輪に出場したショートトラックの安賢洙(アン・ヒョンス)選手(28)の活躍を見ていると、以前の安選手の発言が意味深長に思えてきた。昨年、ロシアのメディアとのインタビューでのことだ。「ロシア国籍を取得した後、最もうれしかったことは何か」という記者の質問に対し、安選手はこう答えた。「銅メダルであれ、金メダルであれ、スタッフたちが皆喜んでくれて、仲間の選手たちも皆祝福してくれる。そんな姿がとても心地よい」

 

 韓国はそうではないという趣旨なのだろうか。メダルを取っても、仲間の選手たちが祝福してくれないということなのだろうか。

 

 考えてみれば、思い当たる節は一つや二つではない。大韓スケート連盟が、韓国体育大学出身者とそうでない者の派閥争いで悪名高いことは、つとに知られた事実だ。両派閥に属するコーチや選手たちが別々に練習を行い、食事も別々に取るほどだ。レースではほかの派閥に属する選手が負けるよう、互いにけん制し合うといううわさも絶えない。韓国代表時代の安選手も深い悩みを抱えていたことだろう。2006年の世界選手権直後、安選手は「派閥争いがあまりにも激化し、選手たちが被害に遭っている」と打ち明けた。

 

 安選手の「祖国脱出」を全て派閥争いのせいにすることはできないだろう。一時期けがで苦しんだことや、所属していたチーム(城南市役所)の解散などといった幾つもの複雑な事情があったように思う。だが、スケート界や韓国社会がもっと配慮し、大事に扱っていれば、結果は違っていたかもしれない。安選手の父親は「スケート連盟が(安選手を)引き止めるどころか、盛りの過ぎた選手として切り捨てた」と打ち明けた。その結果、韓国が生んだ傑出した氷上の英雄が、ロシア代表のユニホームに身を包み、祖国の選手とメダル争いをするという、おかしな状況が展開されることになった。

 

 韓国と日本を行き来しながら活動している格闘家の秋山成勲(韓国名:秋成勲〈チュ・ソンフン〉)氏(38)は、父親が立派な人物だったようだ。在日韓国人4世として大阪で生まれ育った秋山氏は、20代半ばまで韓国国籍だった。日本社会で韓国国籍のまま暮らしていくことがどれだけ大変なことか、知る人は少なくない。秋山氏は柔道の師範だった父親の意を受け、韓国代表としての五輪出場を目指した。24歳のとき韓国に来て、釜山市庁柔道部に入り、韓国代表選考会に臨んだ。だが、不可解な判定により、代表に選ばれることはなかった。

朴正薫(パク・チョンフン)デジタル担当副局長

 

 秋山氏は「後から来た者への差別のために負けた」と悔しがった。そして日本に戻り、日本国籍を取得して、結局は日本代表に選ばれることになった。日章旗を胸に付けて出場した2002年の釜山アジア大会で、秋山氏は韓国の選手を破って金メダルを獲得した。自分を脱落させた韓国柔道界の判定が誤っていたことを、実力で示したというわけだ。

 秋山氏は2年前、MBCテレビのバラエティー番組『黄金漁場』の「ヒザ打ち道士」コーナーに出演した際、心境を打ち明けた。司会のカン・ホドン氏が「韓国の柔道界が、実力だけでなく、ほかに何かがなければ生き残れない世界だと思うか」と質問したところ、秋山氏はためらわずこう答えた。「派閥が存在する。明らかに」

 未来創造科学部(省に相当)長官に一時内定しながら辞退したキム・ジョンフン氏(52)を覚えているだろうか。大学生の娘2人が昨年夏、語学研修のためソウルに来たという話を聞いた。毎年、夏休みや冬休みには韓国語を勉強していたが、昨年もそれを怠らなかったというわけだ。

 昨年の夏といえば、キム氏があらゆる個人攻撃を受け、満身創痍の状態で米国に戻った直後のことだ。当時、キム氏は母国に対する恨めしい思いでいっぱいだっただろう。そのような中でも、娘たちを韓国に行かせるというのは、感情的にはたやすく決断できることではなかったのではないか。キム氏は閣僚候補になる前も、辞退した後も、変わることなく「私を生んだ韓国を愛している」と語った。娘たちを韓国に行かせたことは、キム氏のいう「祖国愛」がうそではなかったことを示す証拠だ。

 米国のエリート社会の中心に近いというキム氏は、人事をめぐる審査の過程であらゆる個人攻撃を受けた。中央情報局(CIA)のスパイとして罵倒されたかと思えば、妻名義のビルが売春宿に使われているという疑惑まで浮上した。だが、このような疑惑は全て事実ではなかった。

 当時、キム氏をめぐる疑惑に言及したのは野党や左派だった。人事をめぐる審査だけにとどまらず、朴槿恵(パク・クンヘ)政権を揺るがそうという、政治的な攻勢の意味合いが強かった。その結果はあまりにもお粗末だった。派閥争いのせいで、韓国社会は祖国のために身をささげようとする人たちを追い出していることになる。

 結局、無難な学者を長官に起用した未来創造科学部は、平凡な官僚組織に成り下がってしまった。「未来」を「創造」するどころか、仕事をしているのかどうかも分からない、と指摘する声も出ている。1年前、キム氏を追い出したグループは「国家の自尊心を守った」と喜んだが、今の未来創造科学部を見ても満足するのだろうか。

 

朴正薫(パク・チョンフン)デジタル担当副局長